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常心門空手道への誘い
(その沿革と概要)

小林 幹夫

 古流・現代日本空手道常心門連盟(通称 常心門)は、1969年に宗家・池田奉秀によって創設され、2019年8月には、50周年記念国際武道祭がその故郷・鹿児島県鹿屋市串良町において開催されます。2012年10月には、池田亜衣宗師範により二代目宗家を襲名されました。

 常心門空手道は、流祖・池田奉秀によって、近代少林流の名人とうたわれた沖縄の喜屋武朝徳翁の拳脈を受け継ぎ、本土の伝統武道や各種空手の研究、中国武術や整体医法の研究を基に、総合的な基本理念と技術体系が構築され、その流儀において「常心門少林流」と呼称しています。国際組織にあっては、世界20ヶ国以上に公認の支部を置き、「国際常心門少林流空手道連盟」として活動しています。

 創立6年後の1975年に宗家によって、『古流現代空手道集義 第1巻』が刊行されました。その巻頭の一節に、「本当の空手文化と云うものを真剣に捉える人が少なくなって来た・・・。深く広くある事は私共が目ざす将来的な展望ですが、浅く広くなりつつある事には不賛成です・・・」、と説かれています。

 深さのない武道哲学は、真剣に探求すべき値打がありません。また、広さとは大衆的ということですが、それは会員の年齢・性別・職種に応じて、それぞれの動機や目的に応えることができる幅のことだと考えます。
その実践として、1971年には、女性のための総合武道を目指す女子武道協会を興し、さらに、1976年には、楕円棒を軸とした常心流棒術振興会を起ち上げました。

 このように、老若男女のニーズに応えることのできる一大特性が常心門には息づいております。また、それこそが生涯かけて確立したかった流祖・池田奉秀のすべてであります。

 人は誰でも必ず年をとり、やがて死を迎えます。世の多くの空手は、若い頃に競技空手の選手として活躍しても、現役を退けばやめるしかありません。
しかし、常心門空手道は違います。常心門空手道は真・行・草の理念に貫かれており、それは、年を経るに従って空手の深奥に至る道です。常心門の冠称である ‘古流・現代’ とは、「武術的・競技的」側面、ならびに「健康的・体育的」側面を統合したものに他なりません。

 入門される方は、その広さを十分に活用していただき、常心門空手道を友として稔りある人生を送っていただきたいと願っております。

2019年3月(五段錬士)

”長年の修行により体得した空手道の技が、生涯を通じて無駄になれば、空手修行の目的が達せられたと心得よ。”

喜屋武朝徳翁の遺訓より(沖縄空手会館・豊見城市)